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- 今こそ“おうちで本格イタリアンの赘沢”を。「青の洞窟」にみるプレミアムブランドの作り方
今こそ“おうちで本格イタリアンの
赘沢”を。
「青の洞窟」にみるプレミアムブランドの作り方
2020年に発売25周年を迎えた日清製粉ウェルナの「青の洞窟」ブランド。
パスタソースや冷冻食品等、上质なイタリアンメニューを展开し、
家庭での赘沢な食シーンのニーズにも応える製品として好评だ。
そんな「青の洞窟」はどのようにしてプレミアムブランドの地位を确立したのだろうか。
同ブランドの企画开発?マーケティングに携わる渡辺さんに话を闻いた。
PROFILE
株式会社日清製粉ウェルナCRM推進部 主幹 兼 プロダクトマネジメント統括部 第二部
ディレクショングループ グループリーダー
渡辺 嘉久
2006年入社。常温のパスタ、パスタソース関连の商品企画?开発?マーケティングを长く担当。2010年より「青の洞窟」ブランドに携わり、现在はグループリーダーとして开発を牵引している。
日本の食卓に
“本格イタリアン”のおいしさを
「青の洞窟」が诞生したのは1995年。1980年代后半からのイタリアンブームを受け、スパゲティがパスタと呼ばれるようになり、メニューもミートソースやナポリタンといった日本の洋食的なものから、カルボナーラやペペロンチーニが注目されるようになった顷のこと。外食では一般的になってきていたイタリアンをご家庭でも楽しんでほしい、という考えから开発されたのが「青の洞窟」だった。
日清製粉ウェルナは日本の家庭へのスパゲティ?マカロニの普及にはじまり、1980年代には他社に先駆けて、日本语ブランドの高価格スパゲティ?スパゲティ用ソースを展开するなど、常に市场を牵引してきたが、「青の洞窟」の発売を契机に、本格イタリアンへのニーズに対応することで、更なるパスタ需要の创出、広がりを目指した。
「全く新しい、独立したブランドを育てていこうという意気込みがあったのだと思います。「青の洞窟」というブランド名も、イタリアンといえば赤?白?緑のイメージですが、强い登场感を持たせるべく、他にはない色として地中海の深远なブルーを表现する「青」を选定し、さらに、奥深さをブランドに取り入れるため、简単には全容を知ることができない海の洞窟を想起させる、「青の洞窟」というネーミングを开発しました。パッケージデザインに関しても、调理写真を入れないものにして、他製品との违いを打ち出すなど、独自性に强いこだわりを持って诞生したブランドでした。」
以降、イタリア各州の伝统的な郷土料理をコンセプトの中心にしながら、日本の家庭へイタリア料理の代表であるパスタ料理の浸透を図っていき、昼食のメニューであったスパゲティを夕食へも登场させ、また、女性の食べ物というイメージを壊し男性へも広げるなど、新たな市场を开拓していった。
独自性を打ち出し、
确固とした地位を筑く
カルボナーラやペペロンチーニも家庭のパスタ料理として定着した2000年代の终わり、开発チームはある危机感を持っていた。「イタリアン」という言叶が当たり前に定着し、高级路线のパスタソースも各社から発売されるようになり、市场のなかでの「青の洞窟」の独自性がやや薄れているのではないか?ということだ。その一方で消费者の価値観は多様化。ネットに情报が溢れ、选択基準もさまざまになっていた。
常にイタリアンカテゴリーの先头を走り続け、また、これからも选ばれ続けるブランドであるため、発売15周年のタイミングでリブランディングに踏み切った。机能的な価値である「おいしさ」は十分に认识されており、ブランドとしてその先を目指すには、情绪的な価値を消费者に认识してもらうことが必要と考えた。目指したのは、イタリア料理が元々持つ伝统や正统性に、今の时代の洗练された空気を加え、おいしさだけでなく、食卓の雰囲気や気分も大切にする大人に向けた、唯一无二のブランド。単なる「イタリアン」ではない、より奥深いイタリアンの世界を提供するブランドとして、「欲深い大人の浓厚イタリアン」というコンセプトのもと、味?パッケージともに大幅リニューアルを敢行した。
「味わいの面では、代表製品の配合设计を改めて见直し、より奥深く浓厚な味わいを提供する品质にブラッシュアップさせました。そしてパッケージデザインについても一から见直し、洗练さを表现する青い光のイメージを採用しました。コンセプトの「欲深い大人の」という言叶选びであったり、当时、食品ではめったに见られなかった青色を全面的にパッケージに採用するなど、かなり思い切った打ち出し方でしたが、消费者に変わったと感じてもらえなければ、ブランドの动きは止まり、陈腐化していってしまう。常に先头を走り続け、ブランドを选び続けてもらうためには、インパクトを持って変えて行こう!という思いでした。」
「青の洞窟」の世界観を体験する
独自性を强く意识したブランディングは、製品だけにとどまらない。プロモーションの一环として、2014年に中目黒のイルミネーションイベントに特别协賛する。目黒川沿いの桜并木に青色尝贰顿を施し、青い光の洞窟を再现した。
「直接的に製品をアピールするイベントではないですが、洗练?スタイリッシュ?おしゃれといった雰囲気、気分までを含んだブランドのイメージを体感いただき、それで世の中に话题を唤起することを重视していました。」
幻想的な青い光の空間が広がる「Nakameguro 青の洞窟」は一躍話題に。予想を超える盛況ぶりに2016年からは場所をより広い渋谷に移し、いまや延べ329万人(2019年時点)を集める渋谷の冬の風物詩となった。さらに、2018年からは札幌、大阪、福岡での開催へも発展している。
2016年にはブランドの厂狈厂アカウントを开设し、2018年からその活用を本格化させた。イベントと连动したキャンペーンを実施するなど、デジタルを活用したブランディングにも取り组んでいる。
「リアルのイベントとデジタルの融合により、ブランド认知、イメージの浸透に力を入れています。现状、厂狈厂は我々からの情报発信が中心ですが、今后は相互のコミュニケーションを増やしていき、「青の洞窟」ファンの方たちの生の声を取り入れたり、よりブランドを好きになっていただける体験につなげるプラットフォームとして発展させていきたいと思っています。」
「简単?便利」と「本格的なおいしさ」を両立
2020年にブランド诞生25周年を迎えた「青の洞窟」。
「お阴様で、青の洞窟ブランドへの支持は年々、高まっており、プレミアムブランドとして评価をいただいています。新製品开発にあたっては、お客様のブランドへの期待を里切ることがないように、常に高いクオリティのものを提供すべく、意识しています。」
25周年の新製品は、コロナ祸で変化する食卓のニーズに応え、家庭で外食のような雰囲気を楽しめるショートパスタや大皿メニュー、野菜用ディップソース等の常温製品のラインアップを拡充した。
また、近年の「簡便」ニーズの高まりに伴って力を入れているのが冷凍食品だ。さらに贅沢な特別感を目指して具材感やソース量を見直しつつ、ハイエンドラインの「青の洞窟 GRAZIA(グラツィア)」シリーズはトレー付きにすることで、お皿を使わず、より手軽に食べられるようになった。
今后のブランドの展望について渡辺さんはこう语る。
「まだまだ家庭でのイタリア料理というと、パスタかピザか、というイメージが强いと思いますが、イタリアには魅力的なメニューがまだたくさんあります。おしゃれで华やか、ちょっと赘沢なイメージのあるイタリア料理は日本の家庭での登场シーンをもっと高められるチャンスがあると思っています。パスタにとどまらず、“イタリアンのプレミアムブランド”として「青の洞窟」の価値をさらに高めていきたいです。」